単行本が未だにでないマンガ

単行本が未だにでないながらも、楽しみにしているマンガを紹介したい。

そして、是非ともその単行本がでないことにがっかりしていただき、私の気持ちをわかっていただきたいと思うのだ。(一言で言って、サイテーである。

 大同人物語 2巻 もしくは 完全版

大同人物語 (1) (Gum comics)

大同人物語 (1) (Gum comics)

 

 HELLSINGドリフターズで有名な平野耕太による、コミケという戦場を描いた地獄のようにかっこいいマンガである。絵柄は最近の絵柄ではなく、HELLSINGの初期のころの絵柄であるものの、HELLSINGの、あの、独特のかっこよさは健在。それで描くのが、オリジナル作品を作る同人作家のひよっこが、悪鬼のごとき同人ゴロに導かれ、地獄のようなコミケに挑むというストーリーで、個人的には平野耕太作品で一番好きな作品かもしれない。2005年に完全版の刊行予定がアナウンスされたものの、未だに発売されていない。

 どうでもいいことだが、ちなみに私は、初期のころの絵柄の、巻き毛インテグラ様も好きである。ほんと、どうでもいい。あと、前日譚のHELLSING外伝THE DAWNも個人的には完結して、単行本化して欲しい。

 

 秘身譚 2巻

秘身譚(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

秘身譚(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

 

 独特の絵柄ながらも、その癖が古代ローマの雰囲気に繋がっているため、趣のある作画に感じるだろう伊藤真美のマンガである。カラカラ帝を暗殺したマクリヌスが皇帝についた時代を描きつつ、人に宿った神々の神秘を描いた作品。注意としては、当時の文化などに興味がないとあまり楽しめないかもしれない。連載誌の廃刊にもかかわらず、2巻の刊行をアナウンスしていたものの、未だに発売されてはいない。「朝霧の巫女」方式みたいに時間が経過してから発売という形でもよいので、是非とも出て欲しい。

 似たような作品として、冲方丁が原作を担当した中世ヨーロッパを描いた「ピルグリム・イェーガー」がある。こちらについては1部完結で、単行本も出版されている。でもやっぱり、2部は未だに始まらず。そういえば、冲方丁が原作の「シュバリエ」も1部完、2部未定・・・2部はまだなのか!

 とりあえず、ためしに読んでみようという方は、「秘身譚」よりも「ピルグリム・イェーガー」から読んでみるのがおすすめである。

 

 In the Trash

ガレリオのモザイク: 1 (ZERO-SUMコミックス)

ガレリオのモザイク: 1 (ZERO-SUMコミックス)

 

 清野桂也による荒削りながらも、弐瓶勉の「NOiSE」よりもダークファンタジー感あふれるとがったところが垣間見える作品。おそらく、ダークファンタジーの中では、かなりとがったものとなった可能性があるのではないだろうか。一見するとエクソシストものに思えるが、事件の背後にある教団のダークさは「多重人格探偵サイコ」に通じるくらいに尖っている。正直、「胎児エネルギー」という発想自体、これのセンスはかなり尖っている。だが、残念なことに連載誌の廃刊とともに、話数が足りなかったこともあり、単行本化されることもなく消えていってしまった。現在、ネット上で1話が公開されているのを、読むことができるのみである。

 単行本となった作品である「ガレリオのモザイク」は、読み切りの「第1304号室の住人」のスピンオフでかなりマイルドになってしまっているため、「In the Trash」はおろか、元の「第1304号室の住人」にすら劣ってしまっている。しかし、単行本化された内では一番清野桂也らしさが出ている作品である。残念。